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このページでは、科研やその他関連する活動で得られた情報をまとめて報告します。

<留学生たちは毎日の日本人との会話の中で、日本人の日本語使用をどのように評価しているのでしょうか?それを調べるために留学生5名からなるインフォーマルな座談会を実施しました。観光接触場面とは直接関係しませんが、日本語を少し学んだ日本語学習者が観光で来日したとき、同じようなことを考える可能性があります。>

留学生5名(サウジアラビアのHさん、オーストラリアのJさん、中国のKさん、ベトナムのGさん、エジプトのFさん)に「日本語接触場面における日本人の言語調整−留学生の視点から−」というタイトルで座談会を開きました。
5名の留学生は、日頃日本人との接触場面でどのようなことを考えているか率直に語ってくれました。

 右横にあるのがそのときの動画(約10分)です。
 内容を簡単にまとめると下のようになります。

  1. 日本人は外国人と日本語で話をするとき、相手のレベルに合わせて話をすることが下手である。
  2. 日本人は日本語で話をしても英語で返してくる。もっと日本語を使ってもいいと思う。
  3. 日本人にとっては、お客さんに敬語を使うのは普通かもしれないが、その敬語が外国人の理解を困難にしている。デス・マスの丁寧体は勉強しているからいいが、尊敬語や謙譲語などを含むより複雑な待遇表現は避けてほしい。コミュニケーションができない方がもっと失礼だから。
  4. 日本人のカタカナ使用は理解を助けることがある。しかし、英語と意味が違うこともあるので反対に理解が困難になることもある。
  5. 日本人がやさしい日本語を使ってくれれば、日本人と外国人の壁を低くすることができるのではないか。
  6. 外国人の気持ちを考えてコミュニケーションしてほしい。

 もちろん、ここに挙げたのは、彼等が日本人の言語調整について問題と感じていることだけで、日本人との接触場面そのものがうまくいっていないわけではありません。
 さて、挙げられた問題を見てみると、外国人と話をするとき、日本人は普通に日本語を使ったり、英語を使ったりすればそれでいいというわけではなさそうです。日本人は接触場面での自分たちの日本語使用についてもっと勉強する必要がありそうです。